1:3月に発売されたNEW ALBUM「ひと」は 4曲目に収録されている曲のタイトルですが、これをアルバム・タイトルにしたのはどうしてですか?
吉良知彦 :
一番シンプルだったからかなあ。あと、ひとの生き死にや出会いや別れや「人に関するあれこれ」のうたが多かったからだと思います。
2:一番最初のアルバム「ZABADAK-1」(1986年)と今回のアルバムでの大きな違いは?年月を経て曲の作り方は変わりましたか?
吉良知彦:曲の生まれ方は変わらないのですが、育ち方は随分変わりました。それがアレンジなんだろうけど、無機的なものから有機的なものへ、冷水から常温へ、緊張から開放へ、いろんな意味で変わりました。
3:今回のサウンド作りで工夫や苦労したことなど、少し教えていただけますか?
吉良知彦 :
自分が入り込み過ぎてしまうことに気をつけました。没頭していながらアタマの何処かはクールでいるように心がけました。あと作り込みすぎないこと。「これはいらん」と思った音はどんなに優れた演奏でも容赦なく捨てる!ココロを鬼にして!
4:リスナーはどんなことをつかんだら良いでしょうか?このアルバムは ZABADAKにとってどういう意味があるのでしょうか?
吉良知彦 :
リスナーがなにをつかむのかは僕の決めることではありません。
いつもアルバムは頂上だと思って作ってますが出来上がるとそうではないことを思い知らされてまた次のピークが見えてきます。それの繰り返しで今回もそのひとつです。しかし、リリース直後に起きた大震災と偶然にも重なりあう楽曲の多さに愕然としました。今は落ち着きましたが初めのうちは「こんな歌うたっていいのか」と随分悩みました。そういう意味ではZABADAK史上最もヘヴィーな状況で誕生したアルバムといえるでしょう。
5:音楽人生の中で避けようとしていることは何ですか?
吉良知彦 :なにも避けようとはしていません。
6:吉良さんのプロフィールを拝見させていただきましたが、お父様が民族音楽のレコード・コレクターだそうですが、ご自身がご興味を持ったきっかけは?影響はありますか?
吉良知彦 :
いえいえ、コレクターではないです。30枚ほどのレコードがあっただけで、その中のロシア民謡やペルーの音楽などに興味をもちました。いたって普通の環境でしたよ。
7:今迄行った海外で好きな景色は?
吉良知彦 :
マレイシアの熱帯雨林、ゴチャゴチャした屋台街。
ライトトラップにやってきた無数の昆虫!
8:ZABADAKのメンバー編成がありましたが、それは強みだと思いますか?それともチャレンジ?
吉良知彦 :
ええと、質問の意味がよくわかりませんが、いろんなメンバーでZABADAKがなされてきたということでしょうか?でしたらそれは強みでもあり弱みでもあるでしょう。好きなことを続けるためにメンバーとの軋轢は避けがたいものだし、その結果別れが来ても好きなことは犠牲にしなかった。そして多くのファンを失うという現実も付いてきました。まあ何というか、なるようになった、ということでしょうか。
9:敬愛する音楽家は?
吉良知彦:
ジョン・レノン、ジャコ・パストリアス、ケイト・ブッシュ、ラヴェル、
エリック・サティ
10:普段の生活音(自然音も含む)で好きな音と嫌いな音は?
吉良知彦 :
今家の裏でやってる工事の音が嫌い。自然の音はたいがい好き。
雷、風、虫、鳥、雨の音、でも今年の地鳴りは恐ろしいですね。
11:好きな鳥はなんですか?
吉良知彦 :カワセミ!
12:森の中と浜辺 どちらの音が好きですか?
吉良知彦 :どっちも!選ぶなんて出来ません。
13:あなたにとって「静寂」とはなんですか?
吉良知彦 :
鳴きやんではじめてセミが鳴いてたことを知る、みたいな状況。
14:あなたにとって「美しい」とはなんですか?
吉良知彦 :
すごく難しい!綺麗なものが美しいとも限らないし、醜いものが美しいこともあるし。わかんないです・・・
15:あなたのリラックス法を教えてください。
吉良知彦 :
あまりストレスを受ける生活をしていないのであえてリラックスしようとも思いませんが、南の島では心底とろけてしまいます。
16:今 一番関心があることは何ですか?
吉良知彦 :
様々な人とのセッション。ギターがもっと上手くなりたい。
17:音楽に永遠の魅力を与えているモノは何だと思いますか?
吉良知彦 :
永遠の魅力などないでしょう、世にあふれる音楽の本当に極々一部が普遍性を持って10年、20年、100年、1000年と輝き続けることが出来るのだろうと思います。
18:ファンに一言 メッセージを御願いします。
吉良知彦 :
50歳を超え、まだまだやれる気がしています。やがてじいさんになり頑固さに磨きがかかり、偏屈にさえなっていくかも知れませんが、そういう自分が楽しみでもあります。もうしばらくおつきあいくださいね。
(This email's interview is current as of August. 2011)
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The Credit will read:
Posted with permission from Tomohiko Kira 吉良知彦 ( ZABADAK )
Related website LINK:ZABADAK OFFICIAL HOMEPAGE
ZABADAK PROFILE
1986年に東芝EMIからデビュー、1994年以降は吉良知彦のソロ・プロジェクトとして活動を続けてきた”ZABADAK”。ロックの魂を礎に、様々な要素を取り入れた幅広い音楽性、重層的にアレンジされたスケール感溢れるサウンドは、音楽シーンの変遷の中にあって常に新たなファンを獲得し、多くのリスナーを虜にし続けてきた。また、2011年で25周年を迎え、3月リリースのニューアルバム 「ひと」 より、ZABADAKのほとんどの作品の作詩を手がけ、ヴォーカリストとしてアルバム・ライヴに参加、プライベートでも吉良のパートナーである小峰公子が正式にメンバーに加わった。サウンドはもとより、コンセプチュアルワークにも意欲的に関わることで、ZABADAKの世界観はより一層スケールアップしている。現在は自身のレーベルGARGOYLで活躍中。
NEWS:ZABADAK ゴールデン☆ベスト
発売日 : 2011/09/07
価格 : \2,000(税込)
・デビュー25周年、メンバーの選曲、リマスタリングによる最新ベスト!
・オリジナルCDが入手困難で再発が望まれている曲目ばかりの初期ワーナー音源を中心に移籍後の音源も収録。吉良自身の選曲によるファン待望のベスト盤登場!吉良本人による最新リマスタリング。吉良本人による楽曲解説掲載予定。
・結成25周年ライブを10月、12月予定。
[LINK]:WARNER MUSIC JAPAN
Questioner: Yukiko Yamaguchi
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