2014-11-06

新 安夫( The Market SE1 )2014.November.10th

1:江ノ島駅から徒歩三分という情報がHPにありましたが、江の電からお店が見えたり、海水浴場が近くだったり、すてきですね。この場所のチョイスはどうしてでしょうか?ジェラートと鎌倉、その二つに関連性はありますか?

新 安夫:
ロンドンから引っ越す際、江の電の通るノスタルジックな雰囲気が気に入りこの場所への移住を決めました。まだその頃はF1のレースに帯同していたので、成田エクスプレスが近かったのも理由の1つになっていましたね。 2008年冬のリーマンショックで全ての状況が一変。仕事を続けるためにはロンドンへ戻る決断をしなければいけませんでした。しかし妻が臨月で簡単には決めることができなかった。そんな時に今の物件と出会ったんです。その場で「失敗したら高級車を海に沈めたと思えばいいさ!」なんて盛り上り、すぐさま仮押さえに不動産屋へ行きました。その時は何をするかは全く決めてなくて「海が近くて狭いから「アイス屋」似合いそうだな」なんて話していたのは覚えています。明日の暮らしも分からないような状況の中、焦っていて冷静な判断ができなかった結果がこの場所です。商業的にはさておき、ジェラートに似合うロケーションだとは思います。

2:ザ・マーケット・エスイーワンを開店するにあたって、参考にしたお店はありますか?また、ザ・マーケット・エスイーワンのコンセプトはなんでしょうか?

新 安夫:
特に参考にしたお店はありません。在英時に妻の仕事(アンティーク買い付け)の手伝いをしていた影響で古い道具や家具が好きになり、それはお店の雰囲気にも反映されています。 コンセプトは毎週土曜日に通っていたタワーブリッジの近くにあるBorough Marketが元になっています。在英時はそこで手に入れた新鮮な旬の素材を使って調理することが唯一の息抜きで、生活に欠かせない存在でした。店頭のフレーバーから季節の移ろいを感じることができるマーケットのようなジェラテリアでありたいという想いと、愛着のあったBorough Marketの郵便番号「SE1」を取って名付けました。

3:経歴を拝見させて頂きました。元々は日本料理店のシェフ、HONDA Racing F1チームの専属シェフを、そしてロンドンでもお仕事されていたそうですが、ジェラートを作る上でそれら過去の影響は感じられますか?

新 安夫:
もちろんです!これまで経験してきた仕事だけでなく、出会った人々、長く暮らしてきたロンドンからの影響が大きいです。自分がこれまで経験してきたことをジェラートで表現しようと思ったら、今のようなスタイルに自然と落ち着きました。 とはいえオープン当時は「本場イタリアンジェラート」が主流でしたので、イタリアらしくない自分のジェラートが皆さんに受け入れてもらえるのかという心配はありましたね。

4:ジェラート店を経営しようと思いついたきっかけは何だったのでしょうか?果物やジェラートが特にお好きだったのでしょうか?

新 安夫:
4坪のスペースでできることが限られていたので、候補は惣菜屋とアイスの二つに絞られていました。経歴から考えれば総菜屋が妥当でしょうが、妻が「江ノ電眺めながら美味しいジェラート食べることができたら最高だなぁ」なんて呟いていた言葉が頭に残っていて。仕事でイタリアへ行くとよくジェラートを食べ歩いていたこともあり、何とかなりそうと勘違いした部分もあったのかもしれません。未だにジェラートについて分からないことやはじめて気付くことも多く、あの時の勘違いを恨めしく思ったりします。

5:姉妹店イグル氷菓もそうですが、新さんにとって、冷たいデザートの魅力とは?なんでしょうか?

新 安夫:
口に入れた瞬間の人々の笑顔でしょうか。どんなに怖そうなおじさんでも、観光で疲れて立ち寄った人も、一口アイスを頬張った後はパーっと笑顔になります。その笑顔の瞬間に立ち会えることは、職人としての喜びでもあります。

6:あなたが子供の頃 どんなアイスが好きでしたか?

新 安夫:
市販アイスしかなかった時代なので、パピコやホームランバーかな。

7:ザ・マーケット・エスイーワンで、特にオススメのフレーバーは何でしょうか?

新 安夫:
島根県木次乳業の「山地酪農」を使用した「山のみるく」です。イギリスで飲んでいたものに近いミルクをと探し辿り着いたのが木次乳業でした。木次町へ伺った際、創始者の佐藤忠吉氏の自然に寄り添ったものづくりへの想いに強く心を打たれ、この精神はSE1のジェラートづくりにも影響を受けています。木次乳業のミルクはSE1のジェラートになくてはならない存在です。

8:一番のこだわりはなんでしょうか?お店を始めて学んだなってことはありますか?

新 安夫:
こだわりすぎないこと、です。味の核(ベース)となる部分がぶれなければ、他は気候や体感に任せ、自由にものづくりをしても問題ないと考えています。枠にとらわれないものづくり、それが自分の良さだと思うので。 学んだことはあまりにも多過ぎて一言では難しいですね。天候にはかなわない、お客さまの意見は半分聞いておく。かな。

9:あなたにとって美しさとはなんでしょうか?

新 安夫:
自然、内から出るもの。

10:仕事上、どんな時に一番満足感を味わいますか?

新 安夫:
たくさんの笑顔を見た時。

11:ザ・マーケット・エスイーワンの自慢は何ですか?

新 安夫:
飽きずに通い続けてくださるお客さまがいることです。多謝。

12:鎌倉で好きな場所は?

新 安夫:
雨の鎌倉。江ノ電。

13:クリスマスはデコレーション・アイスがみられるという情報を記事で拝見させていただきました。これはアイス・ケーキのことでしょうか?どんな感じになるのでしょうか?少しお話を教えてください。

新 安夫:
クリスマスにはご近所のドイツ菓子店「アウスリーベ」曽根さんのご協力のもと、毎年違ったアプローチのジェラートケーキを提供しています。まるごとアイス(ジェラート)ではなく、ケーキとしての楽しさもあり、最後の一口まで飽きずに食べていただけるように考えています。今年は…まだナイショです。ぜひHPをチェックしてください。

14:ザ・マーケット・エスイーワンのファンに一言お願いします。そして、次に挑戦しようとしていることは?

新 安夫:
これからの寒い冬に突入します。今冬も例年通りよろしくお願いします。 次ですか?ある日突然、SE1がそのまま天ぷら屋になっているかも?!


(This email's interview is current as of October. 2014)
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Posted with permission from 新 安夫( The Market SE1 )
Related website LINK: 湘南のジェラテリア:The Market SE1

The Market SE1
shop 情報:
神奈川県 藤沢市片瀬海岸1-6-6
[TEL] : 0466 24 8499
[営業時間]:11:00 ~ 18:00

新 安夫 (Yasuo ATARASHI) プロフィール:
1971年静岡生まれ。大阪あべの辻調理師専門学校出身。日本で7年間ほど赤坂の懐石料理「ととや魚新」(一つ星)、西麻布の「天ぷら魚新」で経験を積み、1998年に渡英。 ロンドンのMiyama Restaurant(Mayfair)、Mju Restaurant(Millennium Hotel, Knights Bridge)を経てHONDA Recing F1チームの専属シェフとして世界各国を帯同。 レースがオフの間はNobu London(一つ星)で働きながら、個人でケータリング、料理教室などを行う。2008年帰国。 2006年 F1 News Paper The Red BulletinにてChef of the Year受賞。


Questioner: Yukiko Yamaguchi
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2014-09-04

アナイス・オルメール(シェ ボガト) 2014. September. 10th

1:シェ ボガトという店名の理由は何ででしょうか?

アナイス・オルメール:"ピエール・エルメ"とか"ラデュレ"のようなもので、なんか子どもが喜びそうな言葉を屋号にしてアピールしたかったんですよ。ずばり『美しいケーキ』で、ボ+ガトですよ。

2:どうしてこのお店を開いたのでしょうか?

アナイス・オルメール:自分や友人、お客様のために自分らしいお菓子を作りたかったんです。

3:シェ ボガトは魅力的でカワイイがつまっているお店。センスがあると評判ですね。 どうしてそんなことを思いついたんですか?

アナイス・オルメール:ありがとう! きれいでカワイイものが好きなんです。パティシエとしてあらゆる智恵を振り絞り、お客様の多くの要望に必ずお答えしてみせます!(シェ・ボガトは、オーダーメイド・デザインのケーキで有名なお店です。)

4:子どもの頃は何をしたかったのでしょうか?

アナイス・オルメール:パン屋になりたかった! でもパンは食べるのが大好きだし、ケーキを作る方が好きだったし....

5:何がお菓子の創作へあなた方を向わせるのですか?

アナイス・オルメール:グラフィックデザインの勉強から始めました。イラストを描くのは好きなんですけど、結局、広告会社でアートディレクターとして働いて、自分の手で何かを作るってことはやっていませんでした。自分のテイストを確立して、仕事としてやってみたかったんです。自分の好みにあった味やデザインを作りたかったんですよ。

6:お菓子の魅力とはなんですか?

アナイス・オルメール:単なる喜びであるということです。 単純でささやかな楽しみだけど、欲しくて我慢出来ないもの。なくてはならないものですよね。

7:お客さまが満足するには何が大切ですか?おやつの最も重要な要素は何ですか?バランス?栄養価?食べる楽しみ?それとも質ですか?

アナイス・オルメール:まずは 材料の質でしょう。次に、それをうまく活かすレシピを作ります。味や、テクスチャーを調整して、最後に思い描いている形にしていく、魅力を引き出すという事ですよね。私にとって、ケーキは喜びですね。欲望に忠実に、本当においしいものを追求しないと!バター、小麦粉、卵、砂糖があるので、栄養のバランスをさらに求めることはしてはいけないと思います!それから、おいしいと評判のケーキを食べてみたり、オートメーションなお菓子を食べるのを習慣にしないとか、、、。

8:仕事上、どんな時に一番満足感を味わいますか?

アナイス・オルメール:まず、ケーキをお客様にお渡しした時にケーキのデザインを見てほめていただけた時ですね。それから、当店のケーキをおいしいと言ってまたご来店いただいた時ですね。当店のお客様の寛大さにはとても感謝しています!

9:何故パリが好きなんですか?おすすめの景色はありますか?それはどんな理由でですか?

アナイス・オルメール:パリに友達がいるので、パリが好きです。パリは美しい場所ばかりで、通りを眺めながらブラブラできるのが好きですね。天気のいい日にセーヌ川を歩くのが特に好きですね。荘厳な眺めですよ。素晴らしい歴史的建造物が並んでいて、それと同時にセーヌ川のきれいな川の流れや、広がるような空や景色も見れるので。

10:あなたにとって美しさとはなんでしょうか?

アナイス・オルメール:美しさとは、、、それが自然の仕業か芸術なのかはわかりません。もしくは、猫みたいなものなのか。(気まぐれで日によって変わるもの という意味か、それか色々な場所で初中見えるものという意味か)。

11:あなたが子供の頃 どんなお菓子が好きでしたか?

アナイス・オルメール:シンプルなケーキが好きでした。洋梨タルト、ジャム入りのサブレ、チョコレート・バーを挟んだミルクパン。

12:あなたが一番気に入っているにおいや香りは何ですか?

アナイス・オルメール:ジャスミンの香りや、焼き菓子の香り。

13:日本は好きですか?日本へのイメージってなんでしょうか?

アナイス・オルメール:日本には良いイメージを持っていますが、まだあまり知りません。盆栽とトトロが大好きです。

14:日本のファンへのアドバイスをお願いします。

アナイス・オルメール:ファンのみなさま、沢山のご来店、いつも感謝しております。

(This email's interview is current as of May 2014)
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Posted with permission from アナイス・オルメール(シェ・ボガト)
Related website LINK: シェ・ボガト

シェ・ボガト:
shop 情報:
7 rue Liancourt 75014 Paris, France
[Tel] : +33140470351
[営業時間]: 火曜-土曜日 10:00-19:00
[定休日] : 日・月
※お菓子のアトリエ教室 ※
詳細はHPにてご確認願います。

Translation and Questioner: Yukiko Yamaguchi
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2014-04-05

マチュー・マンダール 2014. April. 10th

1:マカロンがお好きなんでしょうか?

マチュー・マンダール:ええ わたしはこのグルマンディズが好きなんです。なめらかで まろやか、そしてフレッシュで、こだわりがある甘味のひとつなんですよ。

2:マカロンの魅力は?

マチュー・マンダール:マカロンの風味は無限だということかな。ずらりと並んだあざやかな色々、テクスチャー。長持ちもするし旅のお伴にももってこいなんですよ。

3:アールマカロンという名前はどうして名付けたのでしょうか?

マチュー・マンダール:リディとわたしはこの店をアート・スペースとしても活用をしたいなと考えていたんですよ。ティエリー・マルトノンは 偉大な木彫家の一人です。彼の作品は わたしたちのパティスリーととてもよく合います。だから「アートとマカロン」という店名にしたのです。

4:マカロンはカラフルできれいですね。特に気に入られているフレーバーや色は何でしょうか?

マチュー・マンダール:>今日パティスリーの世界では見た目は大変重要視されています。マカロンの味とともに 魅力在る色を出すという事を重要視しています。

5:パティシエは お菓子を作るのに注意を払われますね。例えば 味、風味、品質や選択、それから 形......。味覚の具現化はパティシエの技量と聞きます。外見が美しいということは重要でしょうか?

マチュー・マンダール:そうですね。例えばマカロンの場合だとお菓子としての美しさは大変重要なんですよ。店に入ってすぐお菓子を思わずくいいるようにみつめてしまう...そんなことがとても重要なんですよ。おいしくて美しくなければならないんですよ。

6:この仕事に不可欠な素質は何ですか?

マチュー・マンダール:仕事に対しての意欲とか 自分に対してどれだけ厳しくなれるかとか 計画性や 創造性、好奇心、センス、素材本来の味わいを大切にするという感謝の念。そして思った事が形にできるという実現力だと思いますよ。

7:あなたが子供の頃 どんなお菓子が好きでしたか?

マチュー・マンダール:クラシックなパティスリーやお母さんの手作りのケーキが大好きです。特にお気に入りのデザートは コーヒー味のエクレアや ラム酒ババ、パリ・ブレストです。

8:1日に何時間仕事をしていますか?

マチュー・マンダール: だいたい一日に10〜12時間です。

9:パリでは まだ珍しいブランチをやっていて話題ですね。多くの客を集めていますね。卓上のコンビネーションがいいと評判です。お客様が満足するには何が大切ですか?

マチュー・マンダール:店ではブランチを提供させていただきますが お客様には質の高い、色々な味を納得のいくお値段で楽しんでいただいています。

10:仕事上 どんなときに一番満足感を味わいますか?

マチュー・マンダール:朝、仕事をしている時が好きです。パンが窯でパリッと音がする焼き上がりの時、小さなケーキをデコレーションする時、最初のお客様を迎え入れる準備の時。

11;次に挑戦しようとしていることは?

マチュー・マンダール:次の挑戦はテイクアウトですね。新しい戦略を考えていますよ。

(This email's interview is current as of Octobre 2013)
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The Credit will read:
Posted with permission from マチュー・マンダール
(パティスリー アールマカロン)
Related website LINK: パティスリー アールマカロン

パティスリー アールマカロン:
shop 情報: 129 Boulevard de Montparnasse 75 006 Paris, France
Tel : 01 43 21 32 49
営業時間 : 火曜~土曜日 9時~20時 日曜日 10時~19時
定休日 : 月曜日
Translation and Questioner: Yukiko Yamaguchi
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