1:一粒一粒丁寧にハンドメイドされ、「チョコレートの宝石」と言われる三浦直樹シェフのチョコレートですがイタリアの各地の風味を加えた「イタリアエレガンス」に仕上げられたり、17世紀イタリアのメディチ家が君臨したフィレンツェの宮中の伝統を伝えたり、モダンと伝統が常に息づいてるチョコレートを創作し続けてらっしゃいますね。ひとくちで食べてしまうのには勇気がいるそのチョコレートを食べる心構えを少し教えていただきたいのですがいかがでしょうか?
三浦直樹 :
素材の組み合わせやバランスを、より味わって頂きたいので、食べる前に素材を理解した上で、イメージしながら召し上がって頂けるとよろしいかと思います。
2:芸術的なチョコレートと評判ですね。「芸術とは自然の模倣」という話もありますが 例えば四季の味覚などは創作上 意識されますか?見た目の美しさや味の点において日本を意識されることはあるのでしょうか?お客様の好みの傾向をどう感じてらっしゃいますか?
三浦直樹 :
四季の変化を、より良く感じられる日本で育ってきたので、やはり意識はしてますね。お客様のお好みですが、昔にくらべると奇抜な素材なんかも、かなり広い層に受け入れられるようになったと思います。
3: 色々な種類のデザインを捜索されながらも一貫した美意識が感じられます。流行と伝統の関係を創作上、どのように意識されていますか?
三浦直樹 :
流行に合わせようという意識はないです。伝統的な物も同じですが、古くからある物でも、良いものは良いと思います。
4:三浦シェフにとって「美しい」とはどのようなことでしょうか?
三浦直樹 :
本当に美しい物は誰が見ても美しいと思います。(笑
5:パリの「ステラマリス」「サダハル・アオキ」での修業時代 フランスと日本の違い、難しさはありましたか?フランスの暮らしはいかがでしたか?
三浦直樹 :
違いもあったと思いますが、とても楽しかったです。多くを学べましたね。
6:フランスでのお気に入りの場所を教えてください。
三浦直樹 :
サクレクール寺院
暇なときによく行ったから。景色がきれいでした。
7:フランス語の習得は難しかったですか?
三浦直樹 :
難しいというか、あまり習得出来てませんでした・・
8:子供の時 どんなお菓子が好きでしたか?
三浦直樹 :
おはぎ
いまだに、あんこが好きです。
9:三浦シェフにとって「チョコレートの魅力」とはどのようなものでしょうか?
三浦直樹 :
完璧が、ほぼあり得ないと思えるところ。
10:チョコレートを創造する時 何からインスピレーションを受けますか?
三浦直樹 :
食事や会話、買い物とか・・生活すべてからですね。
11:素材を見て創作意欲が沸く事はあるのでしょうか?素材の良さが創作に結びついたことはありますか?
三浦直樹 :
僕は新しい素材に出会ったら、とりあえずチョコレートにします。
12:新作のお話を少しだけ教えていただけますか?どんな商品になりそうですか?
三浦直樹 :
ある素材を、初めてチョコレートに合わせてみました。面白いとは思います。
13:それをチョコレート・ファンの方にどういう風にみてもらいたいでしょうか?
三浦直樹 :
賛否はあるでしょうが・・・新しいと思って頂けたらいいですが。
14:「イタリアエレガンス」なチョコレートを作りつづける工房のある「ブルガリ イル・カフェ」の内装もエレガントに感じられますが、三浦シェフは「エレガンス」という言葉をどんな風に意識されていますか?ご自身にとって「エレガンス」とはどのようなものでしょうか?チョコレートを創造される際にも意識されますか?
三浦直樹 :
客観的な目線で、似合っているとか、かっこいいとか思われることがエレガンス。チョコレートで言えば、ブルガリらしいチョコレートは意識しています。あと、見た目だけではなく、素材の組み合わせの面白さやバランスの良さ等がエレガンスという表現につながってくるのだと思います。
15:1日のうちで何をしている時が好きですか?
三浦直樹 :
使ったことのない食材を使用して、新しいチョコレートが出来た時がショコラティエとして喜びを感じる時ですね。
16:三浦シェフにとって「おいしい」とはどのようなことでしょうか?
三浦直樹 :
ほんの少しで良いので、驚きと感動がある事。
17:ファンにメッセージを御願いします。
三浦直樹 :
僕のファンらしき人には、出会った事がないんですが・・・・僕の思う最良の素材と、最良の組み合わせ。他にはない様なチョコレートばかりです。そんなチョコレート達のファンが増えてくれたら嬉しいです。贈られる人だけではなく、贈る人も喜びを感じられるようなチョコレートを創り続けます。
(This email's interview is current as of November. 2012)
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The Credit will read:
Posted with permission from 三浦直樹 (ブルガリ イル・チョコラート)
Related website LINK:
BVLGARI IL Hotels and Resorts
BVLGARI IL CIOCCOLATO ONLINE SHOP
三浦直樹(Naoki MIURA)- ブルガリ イル・チョコラート メートル ショコラティエ・プロフィール:
1970年仙台市生まれ。上京後、パティシエとしての経験を積み、1998年に渡仏。パリでは「ステラマリス」「サダハル・アオキ」などでの修行を経て、帰国後レストランにてパティシエとして活躍。2002年にはデカダンス・デュ・ショコラの立ち上げに携わり、シェフ・ショコラティエとして腕をふるう。2007年ブルガリ イル・チョコラートのスタートと共にメートル ショコラティエに就任。これまでの4年間で創り出したフレーバーは約100種にものぼり、現在も「ブルガリ イル・カフェ」内にあるチョコレートの工房で、伝統的な技術を用い、手作りにこだわりながら、最高級の素材を組み合わせた宝石のようなチョコレート・ジェムズを生み出している。
Information:
ブルガリ イル・チョコラート
12:00-20:00(日曜日及び祝日は18時までの営業とさせていただきます)
東京都中央区銀座2-7-12 ブルガリ銀座タワー10F
03-6362-0510
ブルガリ イル・カフェ
10:00-21:00 (阪急うめだ本店の営業時間に準ずる)
大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店 5F
06-6313-1575
ブルガリ イル・チョコラート 松屋銀座
10:00-20:00(松屋銀座店の営業時間に準ずる)
東京都中央区銀座3-6-1 松屋銀座地下1F
03-3567-1211(大代表)
ブルガリ イル・チョコラート 大阪高島屋
10:00-20:00(大阪高島屋店の営業時間に準ずる)
大阪府大阪市中央区難波5-1-5 大阪髙島屋地下1F
06-6631-1101(大代表)
Questioner: Yukiko Yamaguchi
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2012-12-06
2012-04-05
セバスチャン・ゴダール(Pâtisserie des Martyrs de Sébastien Gaudard, PARIS)2012.April.10th
1:セバスチャン・ゴダールのパティスリーはすばらしいですね。クラシックなお菓子が沢山あります。懐かしいものと新しいものの魅惑的な混ざりあって感動的でした。シンプルで気に入っています。それについてどう思いますか?
セバスチャン・ゴダール :
フランスの伝統的なパティスリーをよみがえらせようという意欲があるからです。スィーツ本出版で共著した女性に感動して意識が変わったんです。古典的な要素を使わずに伝統を表現することを探求しています。
2:嗜好についてあなたのこだわりを少し教えていただけますか?
セバスチャン・ゴダール :
みなさまに愛される味を追求しています。なじみの味.....フランスに昔からある味覚です。例えば、ショコラ、バニラ、キャラメル、コーヒー、林檎、西洋梨、苺などの味。お菓子作りの風味を考える時にそこのところを大切に考えています。
3:2011年パリに新しいお店をオープンされた理由は?
セバスチャン・ゴダール :
開店出来る場所を数年間探して 2011年春にやっと見つけたんですよ。
4:2009年に「Le meilleur des desserts」という本をフランソワーズ・ベルナール氏と共著で出版されています。
この本についてどんな印象がありますか?
セバスチャン・ゴダール :
この出版で受けた感動は私が味の方向性を変える転機のひとつになりました。91歳のこの女性との出会いは伝統のパティスリーを再び甦らせようという認識をしました。
5:あなたのお店は包装紙も素敵ですね。芸術的です。パティスリーは文化や芸術の一部でしょうか?御意見を伺いたいのですが。
セバスチャン・ゴダール :
本来唯美主義者で、一貫した美しい物が好きなのです。細部にもこだわります。芸術的?....あまり意識はしませんが、それが自分だからです。
6:ショコラを創造するとき、何からインスピレーションを受けますか?
セバスチャン・ゴダール :
特には自分の気に入っている風味とテクスチャーにインスパイアされます。
7:あなたにとって 「ショコラ」とは何か?
セバスチャン・ゴダール :
ショコラは多くの可能性を秘めた素材であります。無限の風味を秘めているのです。産地特有の味。デテールに気を配ること。テクスチャーを発見することの連続です。サクサク、パリパリしたもの。トリュフ、口に入れた時のとろけ方。リキッド、ショコラ・ショー。ムースの組み合わせ。アイスクリーム。伝統と改革。甘い物と塩辛い味とを結びつけること。
8:あなたにとって「美」とは何ですか?
セバスチャン・ゴダール :
「美」を定義することは非常に難しいことです。わたしの場合は、人との出会いによって生まれる調和ですね。何かを目にし感動してそれを表現していく...そんなささいなこと積み重ねのことですかね。
9:日本は好きですか?印象はどうですか?日本の好きな点をひとつだけ教えて下さい。
セバスチャン・ゴダール :<
15年以上前から日本を認識しています。国民性と同時に創作面で...文化や伝統において、多いに賞賛します。和菓子職人の手先の器用さ、精密さには大変大きな敬意を持っています。
10:あなたは外国旅行からどのような喜びを得ていますか?
セバスチャン・ゴダール :
とりわけ、現実からの逃避ですね。充電の為の旅行かな。旅行する時は確かにそんな感じです。
11:パリであなたの好きな景色は何ですか?
セバスチャン・ゴダール :
パリで私が一番好きな景色は...建物の屋上に上って連なる屋根を眺めること、ほっとしますよ。それと同時に地平線を眺めていると何でも出来るんじゃないかって気がするんですよ。
12:あなたが子供の頃 どんなお菓子が好きでしたか?
セバスチャン・ゴダール :
タルトタタン。とても簡単に言うと林檎とキャラメルの味が好きです。
13:あなたにとって 「静寂」とは何か?
セバスチャン・ゴダール :
「静寂」を追求することはめったにないですね。街頭のにぎわいが好きなんです。
14:あなたにとって 「デザート」とは何か?
セバスチャン・ゴダール :
わたしにとってデザートはフランスの歴史を旅するようなものです。
子供の頃に戻ったり、のんびりとくつろいだり。
15:パリは良質のワインが楽しめますが、ショコラとワインであなたの好きな組み合わせはどんなのでしょうか?
セバスチャン・ゴダール :
ええ 確かにパリは良質のワインを発見する町です。
16:あなたが一番気に入っているにおいや香りは何ですか?
セバスチャン・ゴダール :
お菓子屋でお菓子が焼けた香りが特に気に入っています。ロレーヌのわたしの父の仕事場で嗅いでいた匂いです。子供の頃を思い出します。
17:今後の目標や展望は?
セバスチャン・ゴダール :
今後の展望としてはパティスリーの修行を積み重ねた自分の味覚をお店に来てくださるお客様に常に提供していける世界観の確立です。
18:日本のファンへのメッセージをお願いします
セバスチャン・ゴダール :愛しなさい!
(This email's interview is current as of March. 2012)
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The Credit will read:
Posted with permission from Sébastien Gaudard
Related website LINK:Sébastien Gaudard
セバスチャン・ゴダール パリ
22, rue des Martyrs 75009 Paris
Téléphone:+33(0)1 71 18 24 70
営業時間:
火曜日〜金曜日 10:00~20:00
土曜日 9:00〜 20:00
日曜日 9:00〜 14:00
月曜日休
Translation and Questioner: Yukiko Yamaguchi
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セバスチャン・ゴダール :
フランスの伝統的なパティスリーをよみがえらせようという意欲があるからです。スィーツ本出版で共著した女性に感動して意識が変わったんです。古典的な要素を使わずに伝統を表現することを探求しています。
2:嗜好についてあなたのこだわりを少し教えていただけますか?
セバスチャン・ゴダール :
みなさまに愛される味を追求しています。なじみの味.....フランスに昔からある味覚です。例えば、ショコラ、バニラ、キャラメル、コーヒー、林檎、西洋梨、苺などの味。お菓子作りの風味を考える時にそこのところを大切に考えています。
3:2011年パリに新しいお店をオープンされた理由は?
セバスチャン・ゴダール :
開店出来る場所を数年間探して 2011年春にやっと見つけたんですよ。
4:2009年に「Le meilleur des desserts」という本をフランソワーズ・ベルナール氏と共著で出版されています。
この本についてどんな印象がありますか?
セバスチャン・ゴダール :
この出版で受けた感動は私が味の方向性を変える転機のひとつになりました。91歳のこの女性との出会いは伝統のパティスリーを再び甦らせようという認識をしました。
5:あなたのお店は包装紙も素敵ですね。芸術的です。パティスリーは文化や芸術の一部でしょうか?御意見を伺いたいのですが。
セバスチャン・ゴダール :
本来唯美主義者で、一貫した美しい物が好きなのです。細部にもこだわります。芸術的?....あまり意識はしませんが、それが自分だからです。
6:ショコラを創造するとき、何からインスピレーションを受けますか?
セバスチャン・ゴダール :
特には自分の気に入っている風味とテクスチャーにインスパイアされます。
7:あなたにとって 「ショコラ」とは何か?
セバスチャン・ゴダール :
ショコラは多くの可能性を秘めた素材であります。無限の風味を秘めているのです。産地特有の味。デテールに気を配ること。テクスチャーを発見することの連続です。サクサク、パリパリしたもの。トリュフ、口に入れた時のとろけ方。リキッド、ショコラ・ショー。ムースの組み合わせ。アイスクリーム。伝統と改革。甘い物と塩辛い味とを結びつけること。
8:あなたにとって「美」とは何ですか?
セバスチャン・ゴダール :
「美」を定義することは非常に難しいことです。わたしの場合は、人との出会いによって生まれる調和ですね。何かを目にし感動してそれを表現していく...そんなささいなこと積み重ねのことですかね。
9:日本は好きですか?印象はどうですか?日本の好きな点をひとつだけ教えて下さい。
セバスチャン・ゴダール :<
15年以上前から日本を認識しています。国民性と同時に創作面で...文化や伝統において、多いに賞賛します。和菓子職人の手先の器用さ、精密さには大変大きな敬意を持っています。
10:あなたは外国旅行からどのような喜びを得ていますか?
セバスチャン・ゴダール :
とりわけ、現実からの逃避ですね。充電の為の旅行かな。旅行する時は確かにそんな感じです。
11:パリであなたの好きな景色は何ですか?
セバスチャン・ゴダール :
パリで私が一番好きな景色は...建物の屋上に上って連なる屋根を眺めること、ほっとしますよ。それと同時に地平線を眺めていると何でも出来るんじゃないかって気がするんですよ。
12:あなたが子供の頃 どんなお菓子が好きでしたか?
セバスチャン・ゴダール :
タルトタタン。とても簡単に言うと林檎とキャラメルの味が好きです。
13:あなたにとって 「静寂」とは何か?
セバスチャン・ゴダール :
「静寂」を追求することはめったにないですね。街頭のにぎわいが好きなんです。
14:あなたにとって 「デザート」とは何か?
セバスチャン・ゴダール :
わたしにとってデザートはフランスの歴史を旅するようなものです。
子供の頃に戻ったり、のんびりとくつろいだり。
15:パリは良質のワインが楽しめますが、ショコラとワインであなたの好きな組み合わせはどんなのでしょうか?
セバスチャン・ゴダール :
ええ 確かにパリは良質のワインを発見する町です。
16:あなたが一番気に入っているにおいや香りは何ですか?
セバスチャン・ゴダール :
お菓子屋でお菓子が焼けた香りが特に気に入っています。ロレーヌのわたしの父の仕事場で嗅いでいた匂いです。子供の頃を思い出します。
17:今後の目標や展望は?
セバスチャン・ゴダール :
今後の展望としてはパティスリーの修行を積み重ねた自分の味覚をお店に来てくださるお客様に常に提供していける世界観の確立です。
18:日本のファンへのメッセージをお願いします
セバスチャン・ゴダール :愛しなさい!
(This email's interview is current as of March. 2012)
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セバスチャン・ゴダール パリ
22, rue des Martyrs 75009 Paris
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営業時間:
火曜日〜金曜日 10:00~20:00
土曜日 9:00〜 20:00
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2012-03-05
小山 進(パティシエ エス コヤマ) 2012. March.10th
1:2011 SALON DU CHOCOLAT AWARD「外国人最優秀ショコラティエ賞」の受賞おめでとうございます。パリで開催されたサロン・ド・ショコラの初出展はいかがでしたか?
小山 進:
昨年は震災もあり、日本の食べ物の安全性を問われていた事は分かっていましたが、実際にサロン・デュ・ショコラに参加させて頂くと、フランスの方は私達に対してすごくウエルカムな姿勢でした。日本の食文化、日本のモノ創りのレベルの高さをストレートに受け入れてくださいました。
ただ、私はフランスで認められようと今まで生きてきたわけではありません。今回のサロン・デュ・ショコラでは、日本のスタンダードを表現しただけにすぎないので、受賞に関しては、私自身が凄いとは全く思っておらず、日本のスタンダードのレベルが高かった事が証明されただけの事だと思っております。
そして、日本に比べて遥か昔からショコラ文化が根付いているフランスの方々が、その事に関して素直に受け入れてくださった事には本当に敬意を表します。
今回勉強になった事は、フランスの方々の理解の深さ。いいことはいい、と大声で行ってくださるところです。私自身、他の人がダメと言っても、自分がいいと思った事に関しては突き進んでいくタイプなのですが、日本人はそういった事が言える人が少ない。会期中、フランスには私と同じような方々が多かったので、ほっとしたのを覚えています。
2:あなたにとってショコラとは何でしょうか?
小山 進:大人がはまるモノづくり。
ショコラには、保存性の面から一定の水分量(クリームやピューレ)しか加える事が出来ません。
例えば木苺のボンボンショコラを作る時。木苺感を強く出したければピューレの量を増やせば風味は増すのですが、水分量が決まっているなかでさらに木苺のアロマを出したい時にはどうするのか。そこでカカオの品質や産地の違いを駆使するのです。木苺に近い酸味や風味を持つカカオを使って、木苺感を感じさせるのです。水分量が決まった中であみ出される、カカオ個性を生かしたチョコレート作り。それはカカオの特性を知れば知るほど“可能性”は広がってきます。
私が思うに、ショコラ作りは“抑制の美学”の賜物です。
ケーキ職人として長く経験を積んできたからこそ、夢中になれる魅力があると思います。
3:ショコラまたはパティスリーとの出会いを伺ってもよろしいですか?
小山 進:
私はケーキ職人の息子なので、子供の頃から父の職場を見てきました。高校生になり、クリスマスに父のところでアルバイトをする事になりました。子供の頃の遊び場だった父の厨房が、時給をもらって働く職場に変わっていった。そのことが、改めてケーキ職人を志すきっかけになりました。
4:お父様の影響を感じる事はありますか?
小山 進:
母に「ケーキ屋にはなるな」と言われて育ちました。最初はどうしてそう言うのかわかりませんでしたが、大きくなるに連れて母が言っていることの意味がわかってきました。それは私に対する愛情。楽しいイベントの時にほど、一緒に家族と過ごす事が出来ない職業。将来私が家庭を持った時のことを考えてのことだったと思います。
父はおとなしいけれど職人気質的なところがあり、仕事に一生懸命な人でした。あまりにも優しく、人にものを頼むということがものすごく苦手だったので、どちらかというと、人を育てようとか、世の中を変えよう、というよりは、美味しいお菓子を作りたい、という思いの方が強かったと思います。
私が決定的にこの道に進もうと思ったきっかけは、高校生の頃にクリスマスケーキを作る手伝いをしていた時のこと。父の働いていたお店は和菓子も取り扱っていたのですが、父と私が一生懸命ケーキを作っているのを尻目に和菓子職人の方々は普通に帰っていきました。それはおかしい、と思い、高校生の私は和菓子職人の方々に「ちょっと手伝ってくれてもいいんちゃうか」と詰め寄ったんです。父にはその時すごく怒られましたが、その事がきっかけで私はチーム感を大切にする洋菓子店を創ろうと思いました。
また、父には父親(私にとっては祖父)がいなかったので、父親がどのあるべきか、という事がよく分からず、私には何も言えなかったようなんです。
だから私は、今の時代によく言われる“教えてくれない”ではなく、教えてもらって育ってないから“考える”ようになったのです。
そんな父の影響を受けつつ、この道を選んだ事で、パティシエになる事を反対した母親には絶対悲しい思いをさせたくないと思い頑張ってきました。
そういった意味では、父親だけでなく、両親から影響を受けていると思います。
5:ショコラは芸術もしくは文化の一端を担うものとお思いですか?
小山 進:はい。
味の文化や芸術を担うものだと思います。例えば抹茶。抹茶は光に当たってしまうと、酸化して色がくすんでしまいます。抹茶は今や世界にも広がり、外国のショコラティエの方も使われていますが、正しい知識を知らない方は多い。それは日本でも同じ事が言えるかと思います。日本だけでなく世界の方々にも、ショコラを通じて、日本の素材の正しい知識を広めていかなくてはならない。また、派手な飾り付けというわけでなく、日本の繊細なモノづくりの文化=芸術をショコラで感じて頂きたいと思っています。
古き先輩達が作り上げてきた味の文化・芸術を、継承しながら進化させていく事が私達の世代が担う役割だとも思っています。
6:ショコラまたはパティスリーを創造するとき 何からインスピレーションを受けますか?
小山 進: すべて日常からです。
食べたいなぁという食欲から受ける時もあるし、美しいなぁという美意識から受ける事もある。おもしろいなぁという人の話から受ける時もあります。
ただ、食という文化に関しては、料理から強いインスピレーションを感じる事が多くあります。
料理人の自由な発想を目の当たりにした時、悔しい、もっと柔らかくならないと、と思います。
また素材と、素材を作ってくれる生産者との出会いからもあります。気の遠くなるような細かい事、手間をかけて作ってくれている事を知った時は、大切に、素材本来の味を生かしたショコラ・お菓子を作らなければと思います。
7:あなたが考える、美味しいショコラとまずいショコラの定義を
教えていただけますか?
小山 進: 大切なのは、基本をしっかりと守る事。
その為には、基本を忠実に再現する環境(マシーン)などを揃える事が必要だと思います。
例えば、ステファン(真空で高速回転してガナッシュを創る機械)などを使わないと新鮮なショコラを作る事が出来ません。
バレンタインなどの時期だけにショコラを作ったらいい、という安易な考えでは、温度変化に弱いボンボンショコラの保管をしっかりと出来るとは思いません。言い換えれば、年間を通じて真剣にショコラに向き合い、環境をしっかりと整えて作っている人のショコラでなければ、美味しいはずはないと思います。
たまたまレシピがよかったとしたも、美味しいショコラを作ろうとする姿勢が美味しくない。
環境を整えて、本当に美味しいショコラを作りたいという、美しい姿勢で作られているショコラが、味だけでなく心まで感動させるのだと思います。
8:どんな香りが好きですか?
小山 進:
その時々の、イメージにしっくりとくる香りや、その場のシチュエーションを高めてくれる香りが好きです。
また、それぞれの季節の朝や夕方、雨上がりの香り。天候や気候の違いによる自然的な香りも。
その時々の思い出がよみがえったり、趣のある風景が香りから感じられるからです。
9:オリジナルで何がおすすめですか?
小山 進: ボンボンショコラ『ミエルサパン』
もみの木蜂蜜(ハチミツ)の風味がふっと現れ、すっと消えるキレのよいガナッシュをビターチョコレートでくるんだボンボンショコラです。濃く甘い蜂蜜のイメージを覆す一品で、私自身、よく出来たと思うショコラです。
10:この仕事をしていて良かったことは?
小山 進:
教師、グラフィックデザイナー、歯科技工士など、色々となりたい職業はありましたが、パティシエはそのなりたかった職業すべてを投入できる仕事だと感じるところです。
11:満足できるのは、どんなパティスリーまたはショコラができたとき?
小山 進:
自分が気に入ったものが出来た時。自分の思った以上のものが出来た時です。
12:お客様が満足するには何が大切ですか?
あなたの抱く「おもてなし」とはどんなイメージですか?
小山 進:
お客様の想像を超える事です。
まだまだ私のお店にも足らない事がたくさんあります。ホスピタリティに関しては、お客様のご要望、ご意見をしっかりと受け止め、日々改善に向けて取り組んでいます。
ただ、商品とか店舗空間の創造性に関しては、お客様のウォンツやニーズにお答えするのではなく、自分がいいと感じた事や、足らないと思った事を基にクリエイションをしています。
自分のスタンダードが、いい意味でお客様に驚きを与えたり、満足して頂けるようにならなければなりません。
だからこそ、それがエゴに思われないよう勉強し、自分がいいと思う事や悪いと思う事に対してブレがないようにする事が大切だと思っています。
13:あなたにとって 「美しい」とは何でしょうか?
小山 進:
そばに置いておきたいもの、です。
例えば子供の頃。クワガタには色々な種類があり、様々なカタチをしていますが、子供ながらにクワガタの大あご(一般的には「角」「牙」などと呼ばれる)の形が、なんとも言えず美しく思えて、クワガタ取りに夢中になりました。それは大人になった今でも変わる事はないと思います。
昆虫の艶や質感、葉っぱのカタチや色など、自然界から「美しさ」を学んだような気がします。
14:次に挑戦しようとしていることは?
小山 進:
新しいチョコレートショップの建設と、その跡地に駄菓子屋を作りたいと思っています。
駄菓子屋は私に夢を与えてくれました。10円玉を握りしめてどれを買うか、ドキドキ感がありました。全部身体にいい素材で、子供にあったポーション、子供サイズのショーケースに商品をたくさん並べて、自分で選んで買えるようなお店を作りたいと思っています。
今の若者たちと接していて、物は豊かになったけれど、どこか自分たちの時とは違うものを感じます。管理社会の中で、窮屈に生きるいて、自立心が欠落しているのではないかと。駄菓子屋を作って、未来を担う子供達の自立心を養わせるお手伝いが出来たらと考えています。
(This email's interview is current as of February. 2012)
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The Credit will read:
Posted with permission from Susumu KOYAMA
Related website LINK:PATISSIER es KOYAMA
小山進プロフィール:
1964年京都で洋菓子職人の父の元に生まれる。専門学校卒業後、神戸「スイス菓子ハイジ」に入社。その間、洋菓子コンクールなどで優勝を重ね、2003年兵庫県三田市に「パティシエ エス コヤマ」をオープンする。1500坪の敷地の中に5つのブランド店舗やお菓子教室、ギフトサロンを運営。四季折々の草花を楽しめるガーデンをはじめ、店舗計画からパッケージに至るまで五感すべてで楽しめる空間づくりを行っている。2011年秋には本場フランス・パリで行われた世界最大のショコラの祭典「サロン・デュ・ショコラ」に出展。初出展ながらも、日本人初の外国人部門最優秀ショコラチエ賞を獲得する。
Questioner: Yukiko Yamaguchi
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小山 進:
昨年は震災もあり、日本の食べ物の安全性を問われていた事は分かっていましたが、実際にサロン・デュ・ショコラに参加させて頂くと、フランスの方は私達に対してすごくウエルカムな姿勢でした。日本の食文化、日本のモノ創りのレベルの高さをストレートに受け入れてくださいました。
ただ、私はフランスで認められようと今まで生きてきたわけではありません。今回のサロン・デュ・ショコラでは、日本のスタンダードを表現しただけにすぎないので、受賞に関しては、私自身が凄いとは全く思っておらず、日本のスタンダードのレベルが高かった事が証明されただけの事だと思っております。
そして、日本に比べて遥か昔からショコラ文化が根付いているフランスの方々が、その事に関して素直に受け入れてくださった事には本当に敬意を表します。
今回勉強になった事は、フランスの方々の理解の深さ。いいことはいい、と大声で行ってくださるところです。私自身、他の人がダメと言っても、自分がいいと思った事に関しては突き進んでいくタイプなのですが、日本人はそういった事が言える人が少ない。会期中、フランスには私と同じような方々が多かったので、ほっとしたのを覚えています。
2:あなたにとってショコラとは何でしょうか?
小山 進:大人がはまるモノづくり。
ショコラには、保存性の面から一定の水分量(クリームやピューレ)しか加える事が出来ません。
例えば木苺のボンボンショコラを作る時。木苺感を強く出したければピューレの量を増やせば風味は増すのですが、水分量が決まっているなかでさらに木苺のアロマを出したい時にはどうするのか。そこでカカオの品質や産地の違いを駆使するのです。木苺に近い酸味や風味を持つカカオを使って、木苺感を感じさせるのです。水分量が決まった中であみ出される、カカオ個性を生かしたチョコレート作り。それはカカオの特性を知れば知るほど“可能性”は広がってきます。
私が思うに、ショコラ作りは“抑制の美学”の賜物です。
ケーキ職人として長く経験を積んできたからこそ、夢中になれる魅力があると思います。
3:ショコラまたはパティスリーとの出会いを伺ってもよろしいですか?
小山 進:
私はケーキ職人の息子なので、子供の頃から父の職場を見てきました。高校生になり、クリスマスに父のところでアルバイトをする事になりました。子供の頃の遊び場だった父の厨房が、時給をもらって働く職場に変わっていった。そのことが、改めてケーキ職人を志すきっかけになりました。
4:お父様の影響を感じる事はありますか?
小山 進:
母に「ケーキ屋にはなるな」と言われて育ちました。最初はどうしてそう言うのかわかりませんでしたが、大きくなるに連れて母が言っていることの意味がわかってきました。それは私に対する愛情。楽しいイベントの時にほど、一緒に家族と過ごす事が出来ない職業。将来私が家庭を持った時のことを考えてのことだったと思います。
父はおとなしいけれど職人気質的なところがあり、仕事に一生懸命な人でした。あまりにも優しく、人にものを頼むということがものすごく苦手だったので、どちらかというと、人を育てようとか、世の中を変えよう、というよりは、美味しいお菓子を作りたい、という思いの方が強かったと思います。
私が決定的にこの道に進もうと思ったきっかけは、高校生の頃にクリスマスケーキを作る手伝いをしていた時のこと。父の働いていたお店は和菓子も取り扱っていたのですが、父と私が一生懸命ケーキを作っているのを尻目に和菓子職人の方々は普通に帰っていきました。それはおかしい、と思い、高校生の私は和菓子職人の方々に「ちょっと手伝ってくれてもいいんちゃうか」と詰め寄ったんです。父にはその時すごく怒られましたが、その事がきっかけで私はチーム感を大切にする洋菓子店を創ろうと思いました。
また、父には父親(私にとっては祖父)がいなかったので、父親がどのあるべきか、という事がよく分からず、私には何も言えなかったようなんです。
だから私は、今の時代によく言われる“教えてくれない”ではなく、教えてもらって育ってないから“考える”ようになったのです。
そんな父の影響を受けつつ、この道を選んだ事で、パティシエになる事を反対した母親には絶対悲しい思いをさせたくないと思い頑張ってきました。
そういった意味では、父親だけでなく、両親から影響を受けていると思います。
5:ショコラは芸術もしくは文化の一端を担うものとお思いですか?
小山 進:はい。
味の文化や芸術を担うものだと思います。例えば抹茶。抹茶は光に当たってしまうと、酸化して色がくすんでしまいます。抹茶は今や世界にも広がり、外国のショコラティエの方も使われていますが、正しい知識を知らない方は多い。それは日本でも同じ事が言えるかと思います。日本だけでなく世界の方々にも、ショコラを通じて、日本の素材の正しい知識を広めていかなくてはならない。また、派手な飾り付けというわけでなく、日本の繊細なモノづくりの文化=芸術をショコラで感じて頂きたいと思っています。
古き先輩達が作り上げてきた味の文化・芸術を、継承しながら進化させていく事が私達の世代が担う役割だとも思っています。
6:ショコラまたはパティスリーを創造するとき 何からインスピレーションを受けますか?
小山 進: すべて日常からです。
食べたいなぁという食欲から受ける時もあるし、美しいなぁという美意識から受ける事もある。おもしろいなぁという人の話から受ける時もあります。
ただ、食という文化に関しては、料理から強いインスピレーションを感じる事が多くあります。
料理人の自由な発想を目の当たりにした時、悔しい、もっと柔らかくならないと、と思います。
また素材と、素材を作ってくれる生産者との出会いからもあります。気の遠くなるような細かい事、手間をかけて作ってくれている事を知った時は、大切に、素材本来の味を生かしたショコラ・お菓子を作らなければと思います。
7:あなたが考える、美味しいショコラとまずいショコラの定義を
教えていただけますか?
小山 進: 大切なのは、基本をしっかりと守る事。
その為には、基本を忠実に再現する環境(マシーン)などを揃える事が必要だと思います。
例えば、ステファン(真空で高速回転してガナッシュを創る機械)などを使わないと新鮮なショコラを作る事が出来ません。
バレンタインなどの時期だけにショコラを作ったらいい、という安易な考えでは、温度変化に弱いボンボンショコラの保管をしっかりと出来るとは思いません。言い換えれば、年間を通じて真剣にショコラに向き合い、環境をしっかりと整えて作っている人のショコラでなければ、美味しいはずはないと思います。
たまたまレシピがよかったとしたも、美味しいショコラを作ろうとする姿勢が美味しくない。
環境を整えて、本当に美味しいショコラを作りたいという、美しい姿勢で作られているショコラが、味だけでなく心まで感動させるのだと思います。
8:どんな香りが好きですか?
小山 進:
その時々の、イメージにしっくりとくる香りや、その場のシチュエーションを高めてくれる香りが好きです。
また、それぞれの季節の朝や夕方、雨上がりの香り。天候や気候の違いによる自然的な香りも。
その時々の思い出がよみがえったり、趣のある風景が香りから感じられるからです。
9:オリジナルで何がおすすめですか?
小山 進: ボンボンショコラ『ミエルサパン』
もみの木蜂蜜(ハチミツ)の風味がふっと現れ、すっと消えるキレのよいガナッシュをビターチョコレートでくるんだボンボンショコラです。濃く甘い蜂蜜のイメージを覆す一品で、私自身、よく出来たと思うショコラです。
10:この仕事をしていて良かったことは?
小山 進:
教師、グラフィックデザイナー、歯科技工士など、色々となりたい職業はありましたが、パティシエはそのなりたかった職業すべてを投入できる仕事だと感じるところです。
11:満足できるのは、どんなパティスリーまたはショコラができたとき?
小山 進:
自分が気に入ったものが出来た時。自分の思った以上のものが出来た時です。
12:お客様が満足するには何が大切ですか?
あなたの抱く「おもてなし」とはどんなイメージですか?
小山 進:
お客様の想像を超える事です。
まだまだ私のお店にも足らない事がたくさんあります。ホスピタリティに関しては、お客様のご要望、ご意見をしっかりと受け止め、日々改善に向けて取り組んでいます。
ただ、商品とか店舗空間の創造性に関しては、お客様のウォンツやニーズにお答えするのではなく、自分がいいと感じた事や、足らないと思った事を基にクリエイションをしています。
自分のスタンダードが、いい意味でお客様に驚きを与えたり、満足して頂けるようにならなければなりません。
だからこそ、それがエゴに思われないよう勉強し、自分がいいと思う事や悪いと思う事に対してブレがないようにする事が大切だと思っています。
13:あなたにとって 「美しい」とは何でしょうか?
小山 進:
そばに置いておきたいもの、です。
例えば子供の頃。クワガタには色々な種類があり、様々なカタチをしていますが、子供ながらにクワガタの大あご(一般的には「角」「牙」などと呼ばれる)の形が、なんとも言えず美しく思えて、クワガタ取りに夢中になりました。それは大人になった今でも変わる事はないと思います。
昆虫の艶や質感、葉っぱのカタチや色など、自然界から「美しさ」を学んだような気がします。
14:次に挑戦しようとしていることは?
小山 進:
新しいチョコレートショップの建設と、その跡地に駄菓子屋を作りたいと思っています。
駄菓子屋は私に夢を与えてくれました。10円玉を握りしめてどれを買うか、ドキドキ感がありました。全部身体にいい素材で、子供にあったポーション、子供サイズのショーケースに商品をたくさん並べて、自分で選んで買えるようなお店を作りたいと思っています。
今の若者たちと接していて、物は豊かになったけれど、どこか自分たちの時とは違うものを感じます。管理社会の中で、窮屈に生きるいて、自立心が欠落しているのではないかと。駄菓子屋を作って、未来を担う子供達の自立心を養わせるお手伝いが出来たらと考えています。
(This email's interview is current as of February. 2012)
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The Credit will read:
Posted with permission from Susumu KOYAMA
Related website LINK:PATISSIER es KOYAMA
小山進プロフィール:
1964年京都で洋菓子職人の父の元に生まれる。専門学校卒業後、神戸「スイス菓子ハイジ」に入社。その間、洋菓子コンクールなどで優勝を重ね、2003年兵庫県三田市に「パティシエ エス コヤマ」をオープンする。1500坪の敷地の中に5つのブランド店舗やお菓子教室、ギフトサロンを運営。四季折々の草花を楽しめるガーデンをはじめ、店舗計画からパッケージに至るまで五感すべてで楽しめる空間づくりを行っている。2011年秋には本場フランス・パリで行われた世界最大のショコラの祭典「サロン・デュ・ショコラ」に出展。初出展ながらも、日本人初の外国人部門最優秀ショコラチエ賞を獲得する。
Questioner: Yukiko Yamaguchi
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2012-01-05
ドミニク・コスタ(カフェ・ド・ラペ、インターコンチネンタルパリルグラン)2012. January.10th
1:テレビで春のパリは美しいという放送がありました。そしてパリの桜の写真を雑誌でしばしば見かけます。スイートファンは桜の花のデザインが美しい扇ですね。このスイーツが生まれたのはどのようなきっかけですか?
ドミニク・コスタ :
フランキー・シエ氏とパリの美しさを凝縮したデザートを作ろうとしたのがきっかけでした。パリジャンの日の出とともにアジア的な桜の花を優雅にコンバインしたかったのです。
2:フランキー・シエ氏とのコラボレーションですがいかがですか?
ドミニク・コスタ :
フランキー・シエ氏は祖国への愛郷心を表現するために扇の形とともに一組のデザートを作りました。このデザートに手の込んだステップのすべてがフォローされています。彼は自分がしたいことを実に上手く現実化します。
3:本作のアイディアは?
ドミニク・コスタ :
フランキー・シエ氏との入念な共同研究の賜物です。3つ程 試作品を考えました。その中から扇に決めました。
4:パティスリーを作る時、イメージを浮かべるのにどのくらい時間をかけますか?
ドミニク・コスタ :
イメージ作りにたいていは1週間はかけます。フレーバーを選んだり、様々な試作を含めて見た目を決めていくのです。
5:中国茶は好きですか?どうして龍井茶と桂花茶(グイファチャア)を選んだのですか?
ドミニク・コスタ :
特に冬の間、中国茶をよく飲んでいるのですが、このデザイナース・スイーツに中国茶を取り入れるということはその愛情の証でもあります。フランキー・シエ氏は中国人としての民族性や信条を施したのです。そしてそれが桂花茶と中国茶のブレンドという彼のアイディアだったんです。それが私が桂花茶を知るきっかけとなりました。
6:一番苦労したことは?
ドミニク・コスタ :
一番苦労した事は扇の形、ロゴ、それから桜の枝でした。これだという型を作るのに時間がかかりました。どのスイーツでもそうですが常に精進してお客様に喜んでいただきたいのです。
7:あなたについて教えてください。ご自身の中にアジアの文化の影響は感じますか?
ドミニク・コスタ :
もちろん、感じます。全ての文化に関して、学ぶことは面白いと思っています。異国との違いを尊重することはすごく大切なことだからです。フランキー・シエ氏とのコラボレーションは本当に嬉しく思っています。中国の文化を勉強するということは大変興味深いことでした。例えばフランスでは普通お茶に砂糖を入れますが中国人はお茶をそのまま飲むからです。私は全てのお茶のフレーバーを勉強する為に中国式で飲んでいます。
8:日本の伝統芸能に関心がありますか?
ドミニク・コスタ :
色々な伝統芸術を体験してみたいです。とても好奇心があります。アジアで働いている友達と日本や中国で発見したことを話す為に1年に1回会っています。
9:あなたにとって「美しい」とはなに?
ドミニク・コスタ :美しいとは自然なこと、無理の無いこと、おもいやり。
10:子供の頃、好きだったデザートは?
ドミニク・コスタ :
日曜日の午後がくるたびに母親が作ってくれるアップルパイが好きでした。
11:大好きなお菓子は?
ドミニク・コスタ :
プラリネ入りや苺味のチョコレートが大好きです。
12:フランスであなたの好きな景色はどこですか?
ドミニク・コスタ :
パリの美しさが大好きですが リフレッシュする為に海や山で楽しめるコートダジュールによく行きます。自然保護区のあるバスク地方やサボワ地方の気温の高い山も好きです。
13:好きな鳥の名前は?
ドミニク・コスタ :
天然保護区で見かける鷲、またはいつも傍らにいてくれる美しい羽を持つ愛嬌のあるパラキート(小型インコ)が好きです。
14:仕事の哲学は?
ドミニク・コスタ :>
あくなき向上心と発展のためチームの開発を考えています。
15:好きな香りは何ですか?
ドミニク・コスタ :
私の好きな香りは キウイ、パッシュンフルーツ、柚子、ピスタチオ、プラリネ、ヴァニラ、そして抹茶。
16:日本のファンへのメッセージをお願いします
ドミニク・コスタ :
本当に日本文化が大好きです。以前日本人のお供をした機会がありました。彼らの真心や信仰心にはいつも深い感銘を受けます。2012年の今年は来日したいと思っています。心を引きつけられる日本を体感したいと思っております。
(This email's interview is current as of November. 2011)
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The Credit will read:
Posted with permission from Dominique Costa
Related website LINK:
インターコンチネンタル パリ ルグラン
LE CAFE DE LA PAIXーRESTAURANT GASTRONOMIQUE PARIS
Mr.Christophe RAOUX's Interview [English]
クリストフ・ラウー氏・インタビュー [日本語]
コラボレーション・スイーツ情報:
インターコンテネンタルパリ ル・グランホテル内のレストラン「カフェ・ド・ラ・ペ」。シェフで総料理長のクリストフ・ラウー氏、チーフ・パテシェのドミニク・コスタ氏と中国人ファッションデザイナー、フランキー・シエ氏(JEFEN)とのコラボレーションスイーツが「スィートファン」という名前で提供される。期間限定で1月16日から5月15日まで。1個 16ユーロ。
Translation and Questioner: Yukiko Yamaguchi
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ドミニク・コスタ :
フランキー・シエ氏とパリの美しさを凝縮したデザートを作ろうとしたのがきっかけでした。パリジャンの日の出とともにアジア的な桜の花を優雅にコンバインしたかったのです。
2:フランキー・シエ氏とのコラボレーションですがいかがですか?
ドミニク・コスタ :
フランキー・シエ氏は祖国への愛郷心を表現するために扇の形とともに一組のデザートを作りました。このデザートに手の込んだステップのすべてがフォローされています。彼は自分がしたいことを実に上手く現実化します。
3:本作のアイディアは?
ドミニク・コスタ :
フランキー・シエ氏との入念な共同研究の賜物です。3つ程 試作品を考えました。その中から扇に決めました。
4:パティスリーを作る時、イメージを浮かべるのにどのくらい時間をかけますか?
ドミニク・コスタ :
イメージ作りにたいていは1週間はかけます。フレーバーを選んだり、様々な試作を含めて見た目を決めていくのです。
5:中国茶は好きですか?どうして龍井茶と桂花茶(グイファチャア)を選んだのですか?
ドミニク・コスタ :
特に冬の間、中国茶をよく飲んでいるのですが、このデザイナース・スイーツに中国茶を取り入れるということはその愛情の証でもあります。フランキー・シエ氏は中国人としての民族性や信条を施したのです。そしてそれが桂花茶と中国茶のブレンドという彼のアイディアだったんです。それが私が桂花茶を知るきっかけとなりました。
6:一番苦労したことは?
ドミニク・コスタ :
一番苦労した事は扇の形、ロゴ、それから桜の枝でした。これだという型を作るのに時間がかかりました。どのスイーツでもそうですが常に精進してお客様に喜んでいただきたいのです。
7:あなたについて教えてください。ご自身の中にアジアの文化の影響は感じますか?
ドミニク・コスタ :
もちろん、感じます。全ての文化に関して、学ぶことは面白いと思っています。異国との違いを尊重することはすごく大切なことだからです。フランキー・シエ氏とのコラボレーションは本当に嬉しく思っています。中国の文化を勉強するということは大変興味深いことでした。例えばフランスでは普通お茶に砂糖を入れますが中国人はお茶をそのまま飲むからです。私は全てのお茶のフレーバーを勉強する為に中国式で飲んでいます。
8:日本の伝統芸能に関心がありますか?
ドミニク・コスタ :
色々な伝統芸術を体験してみたいです。とても好奇心があります。アジアで働いている友達と日本や中国で発見したことを話す為に1年に1回会っています。
9:あなたにとって「美しい」とはなに?
ドミニク・コスタ :美しいとは自然なこと、無理の無いこと、おもいやり。
10:子供の頃、好きだったデザートは?
ドミニク・コスタ :
日曜日の午後がくるたびに母親が作ってくれるアップルパイが好きでした。
11:大好きなお菓子は?
ドミニク・コスタ :
プラリネ入りや苺味のチョコレートが大好きです。
12:フランスであなたの好きな景色はどこですか?
ドミニク・コスタ :
パリの美しさが大好きですが リフレッシュする為に海や山で楽しめるコートダジュールによく行きます。自然保護区のあるバスク地方やサボワ地方の気温の高い山も好きです。
13:好きな鳥の名前は?
ドミニク・コスタ :
天然保護区で見かける鷲、またはいつも傍らにいてくれる美しい羽を持つ愛嬌のあるパラキート(小型インコ)が好きです。
14:仕事の哲学は?
ドミニク・コスタ :>
あくなき向上心と発展のためチームの開発を考えています。
15:好きな香りは何ですか?
ドミニク・コスタ :
私の好きな香りは キウイ、パッシュンフルーツ、柚子、ピスタチオ、プラリネ、ヴァニラ、そして抹茶。
16:日本のファンへのメッセージをお願いします
ドミニク・コスタ :
本当に日本文化が大好きです。以前日本人のお供をした機会がありました。彼らの真心や信仰心にはいつも深い感銘を受けます。2012年の今年は来日したいと思っています。心を引きつけられる日本を体感したいと思っております。
(This email's interview is current as of November. 2011)
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LE CAFE DE LA PAIXーRESTAURANT GASTRONOMIQUE PARIS
Mr.Christophe RAOUX's Interview [English]
クリストフ・ラウー氏・インタビュー [日本語]
コラボレーション・スイーツ情報:
インターコンテネンタルパリ ル・グランホテル内のレストラン「カフェ・ド・ラ・ペ」。シェフで総料理長のクリストフ・ラウー氏、チーフ・パテシェのドミニク・コスタ氏と中国人ファッションデザイナー、フランキー・シエ氏(JEFEN)とのコラボレーションスイーツが「スィートファン」という名前で提供される。期間限定で1月16日から5月15日まで。1個 16ユーロ。
Translation and Questioner: Yukiko Yamaguchi
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